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瀬戸内国際芸術祭
国内で開催される数少ない芸術祭の成功例
SETOUCHI TRIENNALE 2016

トリエンナーレ形式で開催される国際芸術祭の中で数少ない成功例「瀬戸内国際芸術祭」

2010年から始まり、3年に1度瀬戸内の島々を会場として開催する「瀬戸内国際芸術祭」。2013年、2016年ともに100万人以上が来場したという国内外で広く知られる現代アートの祭典だ。

会場に一歩足を踏み入れれば、そこは現代美術のワンダーランド。会期は春・夏・秋と3つに分かれているのも特徴のひとつだ。瀬戸内海の温暖な気候に恵まれた島々は、季節とともに自然が変化し、作品にも違った印象を与える。一度訪れるとまた来たくなるのは当然かもしれない。

瀬戸内国際芸術祭(SetouchiTriennale)の特徴

芸術祭の会場は、瀬戸内海に浮かぶ過疎の12島と島々を結ぶ2つの港。作品の屋内展示は、既存の美術館やギャラリーでなく、多くは空き家や古民家だ。いずれも古い家屋をリノベーションするだけにとどまらず、島の風景に溶け込む過去の遺物が、ひとつの生命として蘇る。芸術祭が回数を重ねるとともに、作品の数が増加し、瀬戸内海中に新たな息吹きが芽生えているのだ。

また、3年に1度の開催年以外も、島内外では次の芸術祭へ向けての準備が着々と進められている。会期中に再び訪れると、過去に見たはずの作品が変化をしていることもあり驚きを隠せない。

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小豆島
撮影:中村脩
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大島
撮影:こえび隊
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男木島
撮影:中村脩
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豊島
撮影:高橋公人

瀬戸内国際芸術祭は、作品との一期一会の出会いを求めるアート鑑賞にとどまらない。回数を重ね、時間の経過とともに作品や周辺の状況が進化する様子を楽しめるのも、この芸術祭ならではの魅力だ。

だが、瀬戸内国際芸術祭の成功はもっと違う側面にあった。

子どもたちから地元住民へ広がった当事者意識

一般的に、芸術祭のようなイベントは、行政や主催者など主導権を握る一部の人々が盛り上がっていても、現地の住民までは関心が広がらずイベント自体が盛り上がりに欠ける結果となる例が少なくない。しかし、瀬戸内国際芸術祭は、子どもたちをはじめ地元住民が「私たちが国際的現代アートの祭典を一緒に作る!」という意識が強い。

発端となったのは、2010年の第1回開催前のこと。香川大学附属小学校3年(当時)の児童たちは、地元で芸術祭が開催されるのに盛り上がりに欠ける状況を知り、瀬戸内国際芸術祭を盛り上げる企画を考え始めた。そして、児童たちがその企画を持って新聞社に飛び込み、後日、新聞記事に取り上げられる大仕事を果たす。さらに、瀬戸内国際芸術祭のセレモニーにも特別ゲストとして招待され、県内の住民として芸術祭の盛り上げに大きく貢献した。

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メンバーの指導のもと、作業をする地元小学校の生徒さんたち

現在は、会場となる島の小中学校を中心に、開催年以外も「次回の芸術祭までにどんなことができるか」という議論や取り組みが行われている。子どもたちは、自宅に戻ると学校で行っていることを家族に話すことで、大人たちは芸術祭に対する子どもたちの奮闘を知る。そこで大人たちも「何か参加しよう!」という意欲が湧き、地元の多くの住民を巻き込むムーブメントに発展したのだ。この芸術祭を支えようというサポーターが中心となって活躍するのが「こえび隊」である。

会期中以外も芸術祭を支えるサポーター「こえび隊」

瀬戸内国際芸術祭を支えているのが「こえび隊」というボランティアサポーター。こえび隊という名前は、瀬戸内海の産物であり、おめでたい場には欠かせない海老が由来。ただし、ボランティアサポーターが今後さらに成長する可能性を込めて、頭に「子」をつけて「こえび隊」と命名された。芸術祭にとって不可欠な存在でありながら、自らが未熟者のように名乗る奥ゆかしさからは、瀬戸内海の穏やかな気候に育まれた人柄がにじみ出ている。

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こえび隊が講師として活躍するイベント「瀬戸内国際芸術祭の楽しみ方」より

こえび隊の登録者は約4割が香川県、1/3が岡山と近隣の住人が大半だが、東京、埼玉、千葉、京都、大阪など遠方の登録者もいる。会期中でなくても大都市から定期的に島へ通うサポーターも少なくない。
会期中に100万人以上が訪れる瀬戸内国際芸術祭において、ボランティアの協力はもちろん不可欠。ただし、こえび隊の活躍は、イベント期間中のお手伝いにとどまらない。こえび隊は、芸術祭が開催されない年も、作家と地元の島を支える縁の下の力持ちとして活動を続けている。毎週のように島に通って作品制作の手伝いを続けるうちに、地元住民との交流を重ね、島ごとにまったく異なるの文化や生活を肌で感じて理解を深めていく。このプロセスで身についた知見が、会期中に功を奏すのだ。

こえび隊、多言語化中!瀬戸内国際芸術祭2016が始まって早速各国のサポーターが瀬戸内に駆けつけてきてくれています!台湾、上海、フランス、アメリカ。日本語、英語、中国語、スペイン語、そしてミックス!こえび寮の共同キッチンは様々な言葉が飛び交っ...

こえび隊さんの投稿 2016年3月23日

【ピンポイントこえび不足予報】毎日島々へ通って、世界中のお客さんを作品受付でお迎えしているこえび隊。今週平日、特に3/30水曜日はこえびさんが不足気味でしょう。主婦のみなさん、シニアのみなさん、春休みの学生のみなさん。1日からでも誰でも参加...

こえび隊さんの投稿 2016年3月27日

瀬戸内国際芸術祭の会期中、こえび隊は、島外から訪れた観客と島をつなぐ仲介役として活躍する。あるときは作品番としてアート作品に込められた想いや制作エピソードなどを伝え、あるときは島のコンシェルジュとして島独自の文化や特徴など瀬戸内の魅力などを紹介する。「こえび隊」は、作家や地元住民、そして観光客の仲介役となり、こえび隊なしでは瀬戸内国際芸術祭が成り立たないほど重要な役割を担うメンバーなのだ。

一度訪れると「また来たい」と思う

美術というと、美術館やギャラリーなどのハコモノの中に他所者として訪れ鑑賞するというイメージが強い。しかし、ここでは、作品に触れながら、島の生活や島内外の人々とともに過ごすたびに「また来たい」と気持ちが駆り立てられるのだ。
最近は、芸術祭に携わる行政担当者や地元の民間企業の従業員が、休日を利用してこえび隊の一員として参加するケースが増えている。はじめは仕事の一環として義務的に携わっていた者も、自らの意志で率先して参加したくなる喜びと感動を与えてくれるのだ。

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2016/6/8 Neojapan
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