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海洋王国かごしま
Very rare fish Kagoshima

鹿児島近海物を一気に味わえるこだわりの鮨

南北の距離600km、干潟から深海まで多様な海を有する鹿児島県は、約300種類の魚などが水揚げされる。養殖も盛んで、養殖ブリ、養殖カンパチ、養殖ウナギの生産量は日本一。また、ウニやアワビ、タコ、ハモ、伊勢エビ、キンメダイなど意外に思われる水産物も獲れるのだ。そんな海洋王国・鹿児島の実力を、鮨の名店で味わってみよう。

海洋王国かごしまの水産物は、多種多様で底が知れない

黒潮と対馬海流という二つの暖流に近く、恵まれた漁場を持つ鹿児島。さまざまな水産物で全国トップクラスの実力を誇る。

養殖業
魚種別漁獲量ランキング
(出典:農林水産省
「平成29年漁業・養殖業生産統計」)
全国1位
ブリ、カンパチ、ウナギ、ヒラメ
全国2位
クロマグロ、クルマエビ、バラノリ
かつお節生産量は日本一
(出典:農林水産省
「平成29年水産加工統計調査」)

21,443トン(国内シェア7割)

海面漁業
魚種別漁獲量ランキング
(出典:農林水産省
「平成29年漁業・養殖業生産統計」)
全国1位
ミナミマグロ
全国2位
クロカジキ類、サメ類、メバチ
全国3位
コノシロ、ムロアジ
全国4位
カジキ類、ソウダカツオ類、ウルメイワシ、メカジキ
全国5位
ウニ類、キハダ

鹿児島県の近海物さかな図鑑「鮨匠のむら」

鮨匠のむら店主・野村伸治さん
鮨匠のむら
店主・野村伸治さん

「鮨匠のむら」は、鹿児島の多種多様な魚を楽しめる鮨店だ。店を訪れたのは春先の4月上旬。屋久島出身の店主・野村伸治さんは、鹿児島近海ものの魚介だけを、市場を通さず漁師から直接仕入れている。

一流の目利きである野村さんが選んだ今が旬の海の幸だけが、新鮮なうちに、または最も熟成が進んだタイミングで提供される。

さっそく、こだわりの”おまかせ” を堪能しよう。まずは、つまみから。目一鯛(メイチダイ)の刺身。市場になかなか出回らない高級魚だ。しっかりと脂が乗り、ねっとりもちもちの食感。続いては天然のカンパチ。朝に獲ってすぐ、活け締めしたものだ。天然ものだけに身が締まっていて歯ごたえが強く、爽やかな甘み。

淡泊で繊細な味の目一鯛
淡泊で繊細な味の
目一鯛
天然のカンパチ
天然のカンパチ

次に出てきたのは、大根で煮込んだマダコ。「鹿児島のマダコは日本一美味しい」と野村さんが語るように、柔らかく、芳醇な香り。薬味のごま塩(鹿児島産黒ごま使用)に合う。

鹿児島のマダコ
鹿児島のマダコ
マダコの薬味は鹿児島産黒ごま
マダコの薬味は鹿児島産黒ごま
タコの柔らかさと香りは大根で煮込むと引き立つ
タコの柔らかさと香りは
大根で煮込むと引き立つ

そしてキビナゴ。鹿児島を代表する魚だが、この店で出てくるのは、珍しい子持ちキビナゴを軽く焼いたもの。脂が乗っていて甘みが上品。春と秋の一時期だけ楽しめる旬の味だ。

焼く前の子持ちキビナゴ
焼く前の子持ちキビナゴ
刺身よりも焼く方がキビナゴの味が引き立つ
刺身よりも焼く方が
キビナゴの味が引き立つ
鹿児島産のムラサキウニ
鹿児島産のムラサキウニ
ウニの甘みと安納芋の甘みを楽しめる茶碗蒸し
ウニの甘みと安納芋の甘みを
楽しめる茶碗蒸し

ウニは、ウニご飯でいただく。鹿児島産のムラサキウニで、ミョウバン不使用のものだけを扱っているため、香り高く、濃厚かつクリーミーな甘みが口に広がる。余韻にも嫌みがない。

さらに、出汁たっぷりの茶碗蒸しにも、鹿児島県産のムラサキウニが。「いいウニだから温めても美味しい」と野村さん。ほかに、目一鯛や、種子島の安納芋などの鹿児島食材が入っている。

つまみの最後は、寒サワラを適度に寝かせてからタタキにしたもの。凝縮したうま味に驚かされる。

熟成した寒サワラのタタキ
熟成した寒サワラのタタキ

鮨匠のむらでは、それぞれの料理を楽しむために5種類の薬味が提供される。自家製”のむら薄口醤油” 、天然塩、梅肉、ポン酢と酢みそだ。いずれも鹿児島産のものを使っている。そして、それぞれの料理の解説とともに、どの薬味で食べるのが美味しいかを教えてくれる。鹿児島近海の「さかな図鑑」さながらの野村さんのトークもまた、料理に味わいを添える。

五種類の薬味自家製の薄口醤油もある
五種類の薬味
自家製の薄口醤油もある
iPadを使って魚の説明をするご主人
iPadを使って
魚の説明をするご主人

国内自給率0.1%のごま

日本ではごまの供給をほぼ全量輸入に頼っており、自給率は0.1%に過ぎない。しかし鮨匠のむらでは、真ダコのツマミの黒ごま(伊佐市)、イカの握りに使われた白ごま(喜界島)など、ごまはいずれも鹿児島産のみを使っている。

いろんな種類のお茶を少量ずつ楽しめる小分けパック
お茶関連製品も充実

漁場が近いからこそ、鮨匠のむらだからこそできる鹿児島の鮨

つまみのあとは、握りの登場だ。市場を通さず、直接漁師から仕入れる鹿児島近海ものの魚。ここでは基本となる八貫を紹介しよう。

まずはアオリイカ。ねっとり感とうま味が他のイカとはまるで違う。「鮨はイカで決まる」が野村さんの持論。寝かせる期間や包丁の入れ方など計算し尽くされているからこその味わいだ。

アオリイカの握り白ごま添え精緻な隠し包丁が歯ごたえを演出
アオリイカの握り白ごま添え
精緻な隠し包丁が歯ごたえを演出

クルマエビは、口に入れた瞬間、「あま~い」と叫んでしまいそうになる。海老を茹でるタイミング、シャリの温度とのバランスを完璧に見切ってこそ、別格の甘さと柔らかさが実現する。

茹であがったクルマエビ
茹であがったクルマエビ
素材の温度がエビの甘みを演出
素材の温度が
エビの甘みを演出
正確な包丁さばきも素材を活かす技のひとつ
正確な包丁さばきも
素材を活かす技のひとつ

続いてコハダ。やわらかでフワフワの食感に感動。通常は捌いた後に塩で水分を抜き、酢締めで臭みを取り熟成させるが、鹿児島産の鮮度が高いコハダが手に入る鮨匠のむらでは、塩水につけるだけ。漁場が近いからこそできる技だ。

アコハダの握り酢締めしないので素材が固くならず柔らかいまま
コハダの握り
酢締めしないので
素材が固くならず柔らかいまま

次にアジを2種。開聞港で獲れた真アジは、鮮度が高いからこそ鮨にできるミニサイズ。独特の香りと食感は他では味わえない。続けて、シマアジ。流通しているシマアジの大半は養殖のシマアジだが、鮨匠のむらで出されるのは天然もので臭みが全くない。

真アジの握りは新鮮で芳醇な香り
真アジの握りは
新鮮で芳醇な香り
のむらでしか味わえない天然シマアジの握り
のむらでしか味わえない
天然シマアジの握り

ホシガツオ(スマ)。脂が乗った状態で水揚げされることは少ない。口にした瞬間、思わず「ヤバイ」と声が出る、マグロのトロのような絶品の味で、舌の上で溶けるがしつこくはない。

幻の魚 ホシガツオの握りカツオの風味の後にトロがくる
幻の魚 ホシガツオの握り
カツオの風味の後にトロがくる

タチウオは開業以来、 30年間研鑽されてきた鮨匠のむらの看板商品。網で獲ったものではなく、必ず釣りで獲った2kg以上のものだけを使う。最低3日寝かしたうえで蒸し焼きにし、軽く擦ったカボスの皮、塩と白ごまを振っていただく。ホクホクとした食感はこの店ならでは。

淡雪のような繊細な食感と熟成された濃厚なうま味タチウオの握り
淡雪のような繊細な食感と
熟成された濃厚なうま味
タチウオの握り

アナゴはタレが定番だが、鮨匠のむらでは、香りを損なわないために酒と自家製”のむら薄口醤油” で煮上げてある。タレでごまかしていない、アナゴのうま味、香ばしさをダイレクトに感じることができる一品だ。

最近では海外からの観光客も多く訪れるという。野村さんは彼らにも英語で丁寧に魚や鮨の説明をする。「Very rare fish Kagoshima」とたびたび力説していた姿が印象的だった。

素材の香りを活かす握り
素材の香りを活かす握り
ツメをつけないのでアナゴの繊細な香りが損なわれない
ツメをつけないので
アナゴの繊細な香りが
損なわれない
魚もレアだがご主人が握る鮨はさらにレア
魚もレアだが
ご主人が握る鮨は
さらにレア

うまい鮨屋の共通点

うまい鮨屋の共通点は何か。掃除が行き届いている、のれんをくぐると本山葵の香りがする、鮨種は握る直前に切る、シャリや種の温度を調整する……などがある。それに加えて鮨匠のむらでは、鮨を食べたあと、手に魚の生臭さが一切ついていなかった。

鮨匠のむらは、新鮮な魚を扱っているうえに、魚のうま味を最大限引き出すために、生臭さを極限まで消す技巧を凝らしているためだと推測される。したがってのむらの鮨は全体的に優しい味わいがあるし香りも良い。

「うま味はごまかせるけど香りはごまかせない」と野村さんは語る。のむらの鮨は、香りを楽しんで欲しい。

鮨匠のむら 鹿児島県鹿児島市松原町6-2 松原ハイツ1F
鮨匠のむら 鹿児島県鹿児島市松原町6-2 松原ハイツ1F

鮨匠のむらのお任せの一例をすべて紹介

鮨匠のむらではアラカルトメニューはなく、料理と飲み物セットのお任せコースのみ。お酒は純米酒や特別純米酒が、鮨に合わせて提供される。鹿児島の海を丸ごと楽しめる鮨の名店。ぜひ一度は訪れてみたい。

薬味(梅肉、ポン酢、のむら醤油、酢みそ、ごま塩)

薬味(梅肉、ポン酢、のむら醤油、
酢みそ、ごま塩)

目一鯛珍しい魚はiPadで解説

目一鯛
珍しい魚はiPadで解説

天然カンパチ細かい隠し包丁が美しい

天然カンパチ
細かい隠し包丁が美しい

マダコはゆでたてうま味が凝縮されている

マダコはゆでたて
うま味が凝縮されている

子持ちキビナゴ地元でも稀少な魚だ

子持ちキビナゴ
地元でも稀少な魚だ

鹿児島産ヒノヒカリのご飯にムラサキウニを乗せて

鹿児島産ヒノヒカリのご飯に
ムラサキウニを乗せて

マグロは長崎産これも絶品だ

マグロは長崎産
これも絶品だ

茶碗蒸しにも鹿児島産のウニ

茶碗蒸しにも
鹿児島産のウニ

サワラのタタキ水温が低い時期にしか味わえない

サワラのタタキ
水温が低い時期にしか味わえない

握りはアオリイカから白ごまは稀少な鹿児島産

握りはアオリイカから
白ごまは稀少な鹿児島産

高級魚アカヤガラサクサクの食感と芳醇な香り

高級魚アカヤガラ
サクサクの食感と芳醇な香り

本カワハギ肝と一緒にいただく

本カワハギ
肝と一緒にいただく

鹿児島でしか獲れないナミクダヒゲエビ濃い甘みが特徴

鹿児島でしか獲れない
ナミクダヒゲエビ
濃い甘みが特徴

クルマエビ甘くて柔らかく舌の上でとろける

クルマエビ
甘くて柔らかく
舌の上でとろける

イサキ1kg超の脂が乗ったもののみを使っている

イサキ
1kg超の脂が乗ったもの
のみを使っている

コハダやわらかでフワフワの食感

コハダ
やわらかでフワフワの食感

サヨリは昆布締めで寝かしたもの強い甘みを感じる

サヨリは昆布締めで
寝かしたもの
強い甘みを感じる

開聞港の新鮮な真アジ

開聞港の
新鮮な真アジ

天然のシマアジも濃厚な味

天然のシマアジも
濃厚な味

ヒラマサ表裏に入れた隠し包丁が甘さを際ただせる

ヒラマサ
表裏に入れた隠し包丁が
甘さを際ただせる

アワビ大根と一緒に6時間煮込んである

アワビ
大根と一緒に
6時間煮込んである

ホシガツオマグロのトロのような味

ホシガツオ
マグロのトロのような味

アサリの味噌汁出汁が絶品

アサリの味噌汁
出汁が絶品

長崎産のマグロ香りも脂の甘みも秀逸

長崎産のマグロ
香りも脂の甘みも秀逸

看板商品のタチウオ

看板商品のタチウオ

酒とのむら薄口醤油で煮上げたアナゴの握り

酒とのむら薄口醤油で
煮上げたアナゴの握り

最後にガリと新生姜と香物

最後にガリと
新生姜と香物

参考:かごしまの水産加工品(https://kagoshima-suisankakou.com/)、かごしまの食ウェブサイト(https://www.kagoshima-shoku.com/)、かごしまのさかな.com(http://kagoshima-sakana.com/)、鹿児島県ホームページ(http://www.pref.kagoshima.jp/)
2019/7/01 Neojapan
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