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Akita's Future
「自ら事業を創り、地元秋田で起業」
という選択肢を若者に届けたい

若者が秋田県で活躍できる場を創造する
起業塾「おこめつ部」

秋田県が主催し、県内5大学が後援する起業家人材育成支援事業がスタートした。その名も「おこめつ部」。社会的インパクトを生み出す人と事業を支援するためのスタートアップ・プロジェクトだ。秋田の抱える若者の県外流出という構造的な問題を解消する取り組みでもある。運営事務局の秋元悠史さんに話を伺った。

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おこめつ部:耕起を終えて種蒔へ
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種蒔のディスカッションの様子

起業家人材の育成が地域に好循環をもたらす

高齢化・人口減少問題で日本のなかでもトップを行く秋田県。その大きな要因となっているのは、若者の県外流出だ。高校・短大・大学等を卒業した若者は、進学や就職の際に県外に転出してしまい、それが人口減少につながる。

おこめつ部 運営事務局 秋元悠史さん
おこめつ部 運営事務局
秋元悠史さん

この問題を解消するために2016年9月に始まったのが、起業家人材の育成事業である「おこめつ部」だ。運営事務局の秋元さんは語る。

「これまで、秋田県で大学在学中に起業する人はほとんどいませんでした。しかし、おこめつ部から輩出した人材が起業に成功したらどうでしょうか。

そのような先輩を見て、起業の夢を描いたり、スタートアップで働きたいと考えたりする人が増えるはず。それが結果として、秋田県に優秀な人材を定着させることにつながるのではないかと思っています」

2年間かけて起業家人材を育成

おこめつ部のキャッチフレーズは「農耕型スタートアップ・プロジェクト」だが、農業関連の人材を育成するわけではない。お米を育てるようにじっくりと起業家を育てよう、というのがその名の由来だ。

「突出したビジネスアイデアを元にリスクを負って起業に挑戦してもらおうというのではなく、起業家人材をじっくりと育成し、事業を創造することに重きを置いています」

おこめつ部では、1人の参加者に対して、最長2年間かけて支援していく。1年目は、アイデアの創出など基本的スキルを習得させ、その後、地元中小企業のリソースを活用した新事業の立ち上げに携わってもらう。

おこめつ部~農耕型スタートアップ・プロジェクト~

2年目は、独立起業したり、あるいは地元企業で新たなビジネスを始めたりなど、本人の希望を応援していく。第1期がスタートしたばかりだが、県事業としては第2期まで実施するが、その後は民間での継続を検討している。

9月に行われたオープンイベントでは高校生から社会人まで幅広い人材が集まり、起業家育成で実績のあるコーチ陣のプレゼンに熱い視線を注いでいた。

IT企業から教育の道へ

秋元さんがこのプロジェクトを通じて提供したいのは、「自分の思いを起点に仕事を創る手段」だという。

「私は中高生の時に、自分が興味を持っていることが周りの人に全く理解されず、自分をきちんと表現できないもどかしさを感じていました。今の若者もそういう状況にあると思います。

例えば地元の問題に対して、何かをして貢献したいと考える人は多くいます。でも、いざそれを仕事にするとなると、公務員になるくらいしか選択肢が思い浮かばない。

本当は、自分の思いを元に起業して、仕事を創り出すという選択肢があってもいいはずです。そんな選択肢を実現するための手段を、若者たちに与えてあげたいんです」

秋元悠史さんの
プロフィール

秋元悠史さん

2009年
東京のIT企業へ就職

2010年~2016年3月
島根県の離島「海土町」に移住
高校魅力化プロジェクトスタッフを勤める

2016年4月
秋田県にUターン

2016年8月~
・株式会社ウェブインパクト
 五城目コアリーダー
・おこめつ部 運営事務局
・キッズクリエイティブマーケット
 プログラムディレクター

秋元さんは秋田県大仙市出身。大学卒業後、秋田で教員になるつもりだったが、一般企業で働く経験も必要と考え、東京のIT企業に就職した。エンジニアとして働くなかで、教育分野への関心が再び高まっていた頃、島根県の離島・海士町(あまちょう)で、生徒数減少に悩む学校をサポートするプロジェクトがあると知った。

秋元さんは会社を辞めてこのプロジェクトに参画し、公立塾のスタッフとして5年半にわたり高校生の教育に携わる。この間、高校の生徒数は減少から増加に転じ、全国のメディアに取り上げられるなど、プロジェクトは大きな成果を残した。

「海士町のプロジェクトでの経験を秋田に持って帰れば、何か新しいことができるのではと考えていました。そんな時に、秋田県の五城目町(ごじょうめまち)で地域活性化の取り組みが盛んに行われていることを知り、そこに知人も多く携わっていたので、私も地元秋田へのUターンを決意しました」

秋元悠史さん

秋田県に戻ってからの秋元さんは、おこめつ部の立ち上げに携わるだけでなく、BABAME BASEで開催しているキッズクリエイティブマーケットのプログラムディレクターとしても活躍。自らの仕事を自らの手で創り出すことを実践しているのだ。

おこめつ部はこれからじっくりと時間をかけて、起業家人材を育成していく。数年後、どのような実りが収穫できるのか、引き続き注目したい。

注目の拠点
「BABAME BASE」

五城目町地域活性化支援センター「BABAME BASE」は、秋元さんの所属する株式会社ウェブインパクトや合同会社G-experienceなど、地域発のベンチャー企業や団体が入居するシェアオフィスだ。閉校した小学校を利用したユニークな建物はもちろん、ここから生まれる数々の新しいビジネスや地域興しの取り組みが、全国から注目を集めている。

2016/11/30 Neojapan
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