2013年7月、宮崎市内でも有数の一等地にBioバル(ビオバル)を開店するに至った。これを機に、店から車で約30分の綾町に家族で移住。現在は、綾町の自宅から宮崎市内に通勤をしている。
――綾町ってどんなところですか?
綾町は、すごくいいところ。
宮崎市の中心から車で約30分離れただけなのに、草の匂い、川のせせらぎ、風がそよぐ音。目に入る景色だけでなく、自然のすべてが五感に訴えてくるすべてのものが魅力。
コンビニのすぐそばでホタルが飛んでいるし本当に素敵な町よ。
そして綾町は、有機野菜がとても有名なの。
私もおいしくてからだにいいものをみんなに食べてもらいたいから、なるべく綾町の有機野菜を提供するようにしているのよ。
今はお店が忙しくて畑仕事まで手がまわらないけど、今後は、自分で作った野菜をお客様に提供できるようにしたいと思っています。
綾町は、宮崎市内から車で約30分。日本最大級の原生的 な照葉樹林帯が広がり、1982年(昭和57年)に九州中央山地国定公園に指定され、2013年にはユネスコエコパークに登録された。
また、全国に先駆けて自然と人間が共存する暮らしを目指した取り組みを、町が率先して行っている。昭和63年、全国初の「自然生態系農業の推進に関する条例」を制定。町独自の有機食品認証基準を作成し、今では綾町の有機・オーガニック食品は、ブランド食品として高い評価を得ている。
――移住成功のコツがあったら教えてください。
まず、移住しようとするところに、一人でもいいから自分と同じ目線で同じ価値観で話せる友達を見つけること。できれば移住者だと、移住者同士で気持ちもわかるし文化の違いなども相談できるしね。私も今では宮崎県内にたくさん友達がいるけど、移住してから最初の半年は友達がいなくて本当に寂しかったから。もちろん地元の人とつながりを持つことも大切だと思う。
地方移住を考えているとき、いいところはたくさんあるけれど、最終的に大切なのは(その土地に住んでいる)人たち。私たち家族は、宮崎県のことを何も知らずに移住してきたけど、地元の人達のおかげで今までやってこられたと思う。宮崎県の人たちには今まで数えきれないほど手助けしてもらっているけど、宮崎県の人たちの温かさに触れるたびに、人柄のよさを実感しています。
――最後に宮崎県の魅力は何だと思いますか?
宮崎県のみなさんは本当に「ステキ」な人ばかり。時間に追われずのんびり過ごしているせいか気持ちに余裕がある。それが宮崎人の豊かさにつながっているのかもしれませんね。
それに食べ物が本当においしいし、物価が安い。私、今は別荘にしている市木とこのお店と綾町の自宅と3ヵ所借りてるんですけど、東京で住んでいたマンションの家賃とほぼ一緒なんですよ。それに、都会の利便性とリゾートライフを実現できるところかな。宮崎市内から青島や綾町へ車で30分程度だし。
県外から来た私は、そんな宮崎県の素晴らしい魅力に日々感動しているけれど、宮崎県の人たちには、安くて美味しい野菜や車で15分の大自然も当たり前のこと。
でも、地元の人にも宮崎県の魅力を伝えることで、もっと“いい街”、“いい県”になると感じています。
宮崎に興味を持って、移住を検討されている方は、ぜひお店にいらしてください。
宮崎県へ移住して5年。
移住者の藤田さんが開いたBioバルは地元内外の人が集うコミュニティとして大切な場所だ。
Masakoさんは「伊織(藤田)さんは人と人をマッチングする力が秀逸。そして地元の人と他の地域の人が出会い集えるこの空間を、移住者の伊織さんが作っているというのがすばらしい」という。
同じく常連のチヒロさんは「ここは東京の人が来たときもすごく気に入ってくれる」と語る。
そして、藤田さんは「みんなに幸せのお裾分けをするため」に宮崎県の新しい「ひなた」を目指している。